スプリント 
一瞬で達する、爆発的な力

 加速時間と持続力

止まった状態から、30km/hを出すのに必要な力をかければ、次第に速度は上昇して30km/hに達する。このとき、40km/hを出すのに必要な力をかければ、より短い時間で30km/hに到達する。

しかし、スプリントは、短時間でエネルギーが底を尽き、力が出なくなってしまう。詳細は持久力の項目で記すが、解糖閾の負荷では最短で30秒、ATP-CPの瞬発的な加速では、8秒程度しか力を出し続ける事が出来ない。

あくまで仮定の例であるが、全力で加速するとして、10km/h加速するのに2秒掛かるとする。
この場合、0km/hから70km/hまで加速しようとすると、40km/hに達したところで8秒経ってしまい、そこで足がなくなってしまうのである。

つまり、いかに70km/hを出すパワーを持っていても、加速の段階でエネルギーを失えば、それ以上の速度を出す前に力尽きてしまう。

この場合、例えば、持久出来る速度で予め50km/hなどで走り、そこから瞬発力で8秒の最大出力を出すような形で最高速度を高めなくてはならず、個人単体で最高速度を出すのも中々困難である。そのため、他者を利用した戦略・戦術が非常に影響する分野であり、経験がかなりものを言う。このような技術・テクニック回りは「スプリント・集団テクニカル」にて詳細している。

最高速度を高めようと思えば、その最大出力だけでなく、土台となる解糖閾での持久力や、ATP-CPの持久力を向上させる事が、加速時間の長さに影響し、高速時間の長さ、しいては単独で出す事が出来る最高速度に影響する。つまり、持久力に乏しいからといって、持久練習を無視してよいという事でもない。実際競輪選手も持久練習は実施している。


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